権堂町の秋葉神社では毎年8月27日28日に秋季例大祭が行われています。
その際、祭事の賑やかしのために奉納されるのが「地口川柳」の行灯です。
「地口」とは江戸時代に庶民の娯楽として広まったことばあそびの一種で、「地口川柳」は最初と最後の一字がお題で決められており、その一字から連想するさまざまなことばを日常の悲喜こもごもや世相などにからめて五七五の句で表現するものです。
たとえば過去の入選作品としては、お題が「こ(ご)」で始まり「い」で終わる句で、
●「ご免ね」と言えずこっそり皿洗い
●「困っちゃうな」歌ってリンダまだ若い
というような調子です。
今年も7月上旬に神社掲示板にお題が貼り出され、応募されてきた地口川柳のなかから入選作品が地口行灯になって権堂アーケードに飾られました。
私はこの地口行灯がけっこう好きでして、アーケードの端から端までずらりと飾られた姿を見ると毎回おぉぉぉぉと感動を覚えます。そしてひとつひとつ愛でながらゆっくりとアーケードを歩き、川柳や添えられたイラストににやつきます。どこかひょうきんだけど厳かで、伝統も感じて、2日間しか飾られない儚げな存在なところが好きなのです。
とかなんとか絶賛しておきつつ…!
勤務地が権堂でなくなってから毎年けっこうな確率で27日28日を忘れる自分には本当にびっくりします。もうがっかりです。
今年も見逃したことをハッと思い出して静かにうなだれる9月の滑り出しでした。
(写真はハッとするタイミングが間に合った昨年のもの)
秋葉神社